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hitonaka コンセプトブックをつくる 〜人の笑顔と島時間を一冊に〜

【はじまり〜町の空気感をお土産に】

 隠岐を訪れる、旅人の入り口であれるようにー。
 そんな願いから始まったOKIPLAZA SEAGATE。地域の一番の魅力である〝人〟をクローズアップするため、WEBジャーナルの制作が決まったのは2021年の秋。隠岐プラザホテルの澤井総支配人、松陽印刷デザインラボ、ライターによるチームの取材・撮影がスタートした。
 「町の営みはすなわち町の人。私たちの思いに共鳴してくださったみなさんを主役に、一人ひとりの顔が見え、居心地のよさやぬくもりが伝わるものを作りたかった」と澤井総支配人。島後に生まれ育ち町の人々と深く関わってきた視点で、取材対象を選定。ライターとともにそれぞれの思いを引き出した。

 記事はWEBサイトでの公開を前提としていたが、取材を重ねるうちに「宿泊客が手に取り、持ち帰ることができるものもあれば」「町の空気感をお土産にできるものを」という意見がチーム内から出るように。そこから立ち上がったのがコンセプトブックのプロジェクトだった。
 澤井総支配人は「町の営みそのものがホテルであることを綴り、ここを訪れた方が『また町の人に会いに戻ってきたい』『大切な人に伝えたい』と思ってくれる。そんな一冊を目指しました」と話す。

【デザインコンセプト〜独特の時間の流れを表現】

 デザインは、穏やかでゆったりとした隠岐の〝島時間〟をイメージ。写真も情報も詰め込まず、ゆとりを重視することで写真やストーリーを際立たせている。
 観光パンフレットや宿泊施設紹介のチラシではないため、観光情報も施設の詳細情報もあえて入れていない。写真も情報量の少ないカットを多用。空気感や居心地を表現したコピーを添え、読み手が想像するための余白を生み出した。

【キービジュアル〜町と人のつながり】

 商店街の人々と話す中で見えてきたのは、この町に住む一人ひとりのつながりや、共に地域をつくってきた時間の厚みだった。文章だけでなく、ビジュアルでも伝えることはできないかー。澤井総支配人が選んだのは、八尾川にかかる天神橋。街全体をホテルとしたときにフロントの役割を担う隠岐プラザホテルと、Hito_Naka港町のあるエリア。西町商店街と Hito_Naka西町のあるエリア。二つを繋ぐ橋であり、海と暮らしを結ぶ川、漁船、商店街、地域の歴史の要となっている愛の橋、全てが見える場所でもある。撮影中には近所のおばあちゃんが通りかかり、この町らしいのんびりした時間が色濃くなった。

 さらに松陽印刷デザインラボのメンバーは、商店街の『秀月堂』と鮮魚店『魚安』の前をチョイス。商いをする人や学校帰りの子どもたち、その家族といった、日常の空気の中に旅人がいる。犬の散歩をしているのは、ジャーナル・コンセプトブックのインタビューで紹介した『京見屋分店』の谷田一子さん。わんちゃんもリラックスした表情を見せてくれた。
 商店街の〝いつもの一日〟のワンシーンをワイドに切り取ったカットが完成。コンセプトブック後半のアクセントとなった。

 コンセプトブックはWEBでも公開。これから訪れる人は、予習のつもりでまだ見ぬ風景と人々に思いを馳せてほしい。
 紙のブックはHito_Nakaで配布している。町の音や海のにおいを感じ、人々の笑顔を目にしてから持ち帰れば、隠岐の思い出につながる扉になるはずだ。

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